レースというと「速く」走ることに目が行きがちですが、多くの要素が絡むステージレースでは走る速さだけではなく、最終的に「早く」無事にゴールに到着することについて考えていきます。

全員が上位でのゴールを目指す必要はありません。それぞれの目標に対しての「早く」と捉えてください。

「早く」を大切にする理由

  • 無駄を削り、余裕をもって無理をせず、着々と進む=結果的に早い
    速さだけを気にし、余裕がない→おろそか・雑になる→トラブルになる→余裕がなくなる=悪循環
  • 早めのゴールが明日へつながる
    翌日のコンディションを保つためには、ゴール後に食事・睡眠以外にも、準備やケアの時間が必要です。
    関門ギリギリの遅い時間にヘトヘトでゴールすると準備やケアが疎かになり、回復のための時間が短くなり、翌日に響きます。早く着けば、キャンプ地で好みの場所を選べるというのも快適な休息につながります。
  • 荒天時などでもきちんと余裕を担保する
    冷静・的確に危険な状況を通過でき安全につながります。

レースの安全管理の観点からチェックポイントでの制限時間を設け、遅れた場合は以降のコースを短縮してゴールに向かっていただきます。

ゴールするまでには

  • 快調に走っているとき
  • ペースが落ちているとき
  • 歩いているとき
  • 止まっているとき

それぞの時間も含まれます。

個別にみていくと

快調に走っているとき

距離=速さ×時間なので、なるべく速いスピードを持続してゴールまで辿り着けるかが大切。

なので「速く走れること」と「スピードを持続できること」この2つの軸でトレーニングをしてみましょう。 登りや下りについても、体への負担を残さず、軽快に進める練習を。
速く走ることについては専門書に譲り、ここでは荷物の軽量化やコンディションなど、ペースを落とさないことに触れていきます。

歩いているとき

できればこの時間も短くしたいですが、登り坂など走れない時は少しでも速く歩きたいところです。長距離のステージレースでは、走れない歩きの時間をいかに使うかは戦略の一つです。

ゆるい登りなら行動食を食べたり&飲んだり(登りのあとは下りなのでしばらく走ることになるなど、先を考えながら)。障害物が少なければ、地図を見てこの後のルートを確認。ウェアやバックパックを歩きながら調整したり。

何かをしながらだと、歩くペースが落ちがちなので注意。

止まっている時

止まっている=ゴールへの距離が全く縮まらない時間です。 これは極力短くすべきです。 トレーニング時から止まってしまう原因を見極め、1つずつ改善していきましょう。

エイドでの給水やウェアの脱ぎ着は手早く。 歩きながらでもできることは、ゆっくりでも歩きながら。

逆に不具合で走りに集中できない時は、止まってさっさと解決しましょう。