ステージレースを完走するために
白山ジオトレイル2022はゴールまでに必要な衣食住を背負って(水のみ大会が提供)、3日間・3ステージ・110kmを白山麓の自然の中を走ったり・歩いたりするステージレースです。(例年は7日間250kmの部も開催)
2022年は新型コロナ対策として、例年は大会で用意していたテントもご自身で用意し、背負ってレースを進めていただきます。
荷物を背負って何日も走るステージレースの経験のある方は少ないと思いますので、ここでは完走するためのポイントをお伝えします。
ステージレースの魅力・楽しみ方は多様ですが、自然の厳しさと美しさを感じながら、選手同士でときに競い・ときに助け合いながら共に走る。そして、他の選手やスタッフとの濃密なひととき共有すること。
スピードを競うだけではない、これらの魅力は多くの方に共通するのではないでしょうか。
完走に必要なのは「コンディションを保つこと」と「軽量化」
多くの要素が絡むステージレースで注意を払うべきは「トップスピードを速くすること」よりも、むしろ「いかにペースを落とさないか」です。
一般的なトレイルランニングやウルトラマラソンと比べると、多くの荷物を背負う必要があり、その重さで思い通り進めずゴールが遅くなる選手が毎年いらっしゃいます。
荷物の重さだけでなく、靴擦れの悪化・胃腸障害・熱中症・低体温症などコンディションを崩してペースが落ち、最終日を迎える前にレースを離脱する選手も少なからずいらっしゃいます。
(7日間250kmの部 平均完走率74.5% )
トップ争いをする選手でも、中盤以降の選手でもトラブルが発生しています。
一方で、トラブルなく安定してレースを進めている選手もいます。
安定している方は全力を出しながらも、客観的に自分の状況を把握しながらレースを進めています。
なので、特別なレースとはいえ「死力を尽くして、一か八かで燃え尽きる」ような走りはおすすめできません。
自分自身が状態を判断するための基礎知識を身につけ、現状をふまえながら準備・トレーニングをしていく。そして当日も自分自身を把握しながら行動を積み重ねることで、トラブルを避けたり、最小限に抑えることができます。
参加選手の皆さんがステージレースの魅力を楽しみながら最終日まで無事完走できるよう、「軽量化」と「安全に、コンディションを保つ」という切り口でトピックをご用意しました。
ステージレースへの準備
ここでは下記のスキルはある前提で話を進めていきます。
- 荷物を背負い1日に30〜60km、3日間で110kmを走れる体力。
舗装路、林道、登山道を、下りとフラットな部分は小走りで、登りは歩く程度のペース。 - 一般的なテント泊を伴う登山経験
テント泊、山中での豪雨・強風などの悪天候に対応できること。
登山経験が少ない方は、別途、入門書などと実践で登山やキャンプの基本を学んでください。
それに加え、登山の一般的なスタイルだと走るには荷物が重いので、ウルトラライトハイキングやファストパッキングなどについても学ぶことをオススメします。
万人に対しての絶対的な答えはありませんが、みなさんの経験・スキルに合わせて参考にしていただければ幸いです。
全体を通して言えることですが、事前のトレーニングで本番を想定して色々試して慣れておき、本番に初めて新しいことをしないようにすることが、安定したレースへ繋がります。