荷物を軽くすることで、カラダへの負担を少なく走ることができます。
ですが行動食を削りすぎると最悪の場合、カロリー不足で動くことができなくなるハンガーノック(手足の痺れ、頭がぼーっとする、体がうまく動かせないなど)と呼ばれる極度の低血糖状態に陥ります。
重いハンガーノックに一度なってしまうと回復に時間を要するので、リタイアにつながります。
ウルトラマラソン、ステージレースで消費するカロリー
- 250km、5日間のマルチステージ・ウルトラマラソンを実験室でシミュレーションした結果
1日の消費量は6,000-8,000 kcal [1] - ランナーが消費する炭水化物は60g/h以上と報告されているが、過去の調査では実際にはほとんどの場合20〜40g/h程度しか摂られていない。(炭水化物1g=4kcal)[2,3,4,5]
- レース中に消費エネルギーと同等のエネルギーを摂取するのはほぼ不可能
現実的なカロリー摂取
運動中に「1時間に体重1kgあたり×炭水化物0.8~1g [6]」を摂った方がいいですが、現実的ではありません。事前のトレーニングで自身にとっての現実的な量を見極めておくことが大切です。
- 自身の胃腸がランニング中にどれだけ食べても問題ないか
- 荷物を持って走るので「食糧の重量」とそれを持って走る「自身の体力」とのバランス
体調を崩すことも前提に
運動の強度、暑さ、脱水によって消化する能力が落ち、食べられなくなる選手が毎年何人もいます。
- レース中はコンディションのいいうちからきちんと食べておく。
一般的に、消化器症状はランニングの最初の2時間では少なく、その後に発症し始める。 少しずつ・こまめに食べるなど、自分に合った負担のない食べ方を。[7] - いろんな条件で、どんな食べ物を、どのくらいの量なら胃が受け付けるか、トレーニング時から試しておく。
他の人には良くても自分に合わないことは多々ある。 - 体調によって食べられるものが変化するので複数の種類のものを用意する。
悪天候でもレースは実施され、夏でも低体温症に
豪雨や強風で体温が奪われるときに、疲れ切って体の中のエネルギーが空っぽだと体温を保つことができません。天候悪化を見越して補給しておき、さらには荒天でも取りやすいものも用意しておきましょう。
食べることは、自分のモチベーションを左右するので、その点でも工夫し楽しみを作って上手く自分をコントロールしましょう。