胃腸障害のページで解説していますが、暑い環境では血流が体を冷やすために使われます。 そうすると走るための筋肉や消化器系への血流が減りパフォーマンスが落ちてしまいます。
トレーニング時にできる対策として暑さへの慣れ=暑熱順化があります。
暑熱順化(暑さへの慣れ)
少なくとも8日間、1日1〜2時間の熱負荷を行うことで暑い環境に体を順応させることができます。[9]
これにより、暑い環境に体が順応し2つのことが起きます。
- 血漿(血液の液体成分)の増加 :暑い環境での体温調整機能、運動パフォーマンスが順応
- 汗の中のナトリウム濃度の低下:電解質不足になりにくくなる
重度の熱中症を起こすと暑熱順化がリセットされてしまうので、トレーニングで熱中症を起こさないように注意してください。[10]
暑熱順化トレーニングの効果が持続するのは1〜3週間ほどと言われています。[11]
暑さ指数(WBGT)
人間の暑さに影響を与える要因として暑さ指数があります。
これらをうまくコントロールしてあげることで熱中症を予防できます。
- 気温
- 湿度
- 輻射熱(日光、熱くなった地面や建物からの熱)
- 風(気流)
熱中症を予防するために
- 喉が渇いたら水分・電解質をこまめに補給
- 薄い色のウェアを着て日光の吸収を抑える
熱中症予防に効果的な服の色は?表面温度は20℃の差 - 日陰があれば日陰を走る(日光+地面の照り返しを避ける)
- 汗を逃すウェア
- 体から逃げる熱(=空気の流れ)をサコッシュなどで塞がない
- ウェアの汗がすぐ乾燥するほど湿度が低い場合は、必要に応じてウェアを濡らす
そのために余分に水を携行する - 極端に暑い場合は水辺に体を浸し深部体温を下げる